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さいはての彼女

本日は最近読了いたしました

原田マハさんの「さいはての彼女」の感想書いていきたいと思います。

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さいはての彼女 [ 原田マハ ]
]

 

 

 

「さいはての彼女」は4つの短篇集から成り立っており4編の主人公はどれも女性というものです。

主にこの主人公たちが新しい場所で新しい一歩を踏み出す、そんなドラマが描かれています。

何より風景描写がわかりやすく、最初のお話は疾走感が溢れており読んでいる最中に何度も心が温かくなったことを覚えています。登場人物がとても魅力的なんですよね!

 

さっそく4編の感想に入りたいと思います!

 

 

 

さいはての彼女

物語はバリバリの女社長である涼香に起業以来共に過ごしてきた秘書が寿退社を願い出たことに対して、嫌味をこめてクビを言い渡したところから始まる。

そこで涼香は秘書に最後の仕事として旅行の手配を指示する。

沖縄でのサマーヴァカンス、すべて一流のサービス。

の予定だったのだが到着した場所は北海道の「女満別」、おまけに用意されていたのは廃車寸前のようなポンコツ軽自動車。

そんな中、凪という聴覚を持たない「サイハテ」(ハーレー)に乗る少女に出会うところから物語は動き始める。

 

とにかく凪(ナギ)の人の好さにものすごく魅力を感じました。

作中にもあったように磁石みたいな人間って表現がマッチしすぎです。

周囲の人間を惹きつけ、出会った人に光を灯す。

最後の最後に涼香が寿退社を願った秘書に対して

「もう一度、一緒に走ってみない?」

このフレーズに涼香の変化が集約されてますね。胸が熱くなりました!

旅に出るとこういった出会いって実在したりするのかな、私自身こういった経験は全くありません!

ですがいつかはしてみたいものです。知らない土地で新しいものを見て、感じて、話して、様々なものを吸収したいです。

何よりこのお話は旅へのあこがれを強めてくれました!

 

旅をあきらめた友と、その母への手紙

ヒロインのハグは彼との別れをきっかけに仕事がうまくいかなくなり、大手広告代理店を辞め、ハグの人生は転落していった。

そんな時、大学時代の親友ハグから1通のメールが送られてきた。

「旅に出よう。人生をもっと足掻こう。」ここから二人の旅が始まったのだ。

物語は2人で訪れるはずだった宿にハグが1人で滞在することになり、そのいきさつとナガラへの思いを描いている。

物語のラストは病気で倒れたナガラの母親にハグが手紙を出すのだが、この手紙がまた私の胸を熱くするのだ。

 

「旅に出よう。人生をもっと足掻こう」いい言葉です。

友を鼓舞するにはもってこいの言葉だ。使わせてもらいます。

思い通りにならなくても、いつかきっと。どんどん挑戦して・・・失敗してもなお挑戦してやろうって気にさせてくれました。

現在就活をしている身なんですがものすごく響きます。

そしてラストの手紙。ハグとナガラの友情のすべてが詰まってます。是非1度読んでください。とてもくさい言葉ですが本当に友達って大切にすべきなんだなと。思わせてくれますから!

 

冬空のクレーン

職場でのトラブルから会社に顔を出しずらくなった志保。その間に休暇を使い北海道の鶴居村でタンチョウヅルとタンチョウレンジャーの天羽さんと出会い自分を見つめなおしていく物語。

 

自然界の動物が織りなす壮大な風景ってのがたまりません。

そして中でもある1人の人間の思いがツルに通じたのではないかと思わせるシーン。けがをしたツルが心配でたまらくなった少年。父親に怒られるのを覚悟で治ってほしいと思う一心で添い寝することに。そんな少年の無垢な思いがツルに通じたのか、ツルが家から運び出される際に、廊下で泣きながら突っ立っている少年をみて突然翼をバタバタと動かしたという。合図を送るかのように。

心の底から温かい気持ちになりました。動物と人間とが紡ぐ物語って本当に泣かせてくれます。

人間同様、動物も心を持ってたりするんですかね。私はそうであると信じたいです。

 

風を止めないで

 「さいはての彼女」に出てきた凪の母の物語。亡き父とハーレーと・・・夫や娘のようにハーレーに夢中になれなかった彼女。そんな彼女が真の意味で自分の人生を取り戻す。

 

凪の成長っぷりにとにかく胸が熱くなる。音のない世界に生きる彼女はとても輝いている。それはなぜか?きっと亡き父のあの言葉があったからだろう。

「ナギ。そんな『線』は、どこにもない。もしあるとしたら、それは耳が聞こえる人が聞いた「線」じゃない。お前が勝手に引いた『線』なんだ。いいか、ナギ。そんなもん、超えていけ。どんどん超えていくんだ。」

この言葉は凪を超えて私にも届きました。今置かれている状況に対して言い訳して、勝手に「線」を引いて。そんなもん。超えていこう。きっと超えていけるよ。こんな風に作者からメッセージを受け取った気がしました。

 

 

 

 

どうですか!興味を持っていただけましたでしょうか!

何せ書き慣れていないものですから、伝わりにくい部分があるかも・・・

原田マハさんの作品は動機といいますか、何か読者に強い思いってのを与えてくれます。特に何かに悩んでいるときは励みになると感じます。今回の作品は現実から一度離れどこか旅に出たいと思わせてくれました。あてもなくぶらぶら遠くへ、そこで様々なものを見て、感じて、影響を受けて。そしてこの作品のように人のぬくもりに触れたいって、そう思いました。

そして凪の母親も非常に強い人です。最愛の人をバイクの事故で亡くして・・・それなのに凪の帰りを待てるなんて。自分だったら恐怖で押しつぶされています、確実に。凪のこと本当に愛しているのでしょう。その反動か、時折見せる母親の心の声に非常に感情を揺さぶられます。

日常的なお話のように感じますが、どこか奇跡的な出会いを繰り返していると感じる部分があります。人が何かに影響され変わっていく部分が奇跡的な出来事なのかもしれません。これからもどんどん自分の視野を広げて、たくさん影響を受けて、様々なことを知りたいって思いました。悩んだとき、節目の時期、大きな決断を迫られるとき、この作品をもう1度読み返したいと思います。